2012年5月16日水曜日

お産中に心をこめたケアを受ける意味

データを眺めている段階ですが、お産中(経膣分娩も帝王切開も含みます)の非医療的サポートが及ぼす影響について少し探っています。具体的には、お産の進行や専門用語などもわかりやすく説明してもらえたか、励ましてもらえたか、褒められたか、心細くないようにそばにいてもらえたか、身の回りのお世話をしてもらえたか、気持ちをわかってもらえたか、いつも味方でいてもらえたか、という8項目です。すると・・・そのようなケアが十分でなかった、と回答した女性の場合は、産後約1~2か月の時点で、

1) お産のことを思い出すとつらい気持ちになってしまうことが多い(お産のPTSD)<リンク>
2)産後うつの症状を呈することが多い<リンク>
3)受けた産科医療に対する満足度が低くなる<リンク>

という傾向があるようです。非医療的サポートはお金にならない部分で誰にでもできることですが、こんな長期的な効果があるということ、専門家だけでなくこれから産む女性と周囲の方たちへも強調したいです。

お産が思うように進まなかったり、思うような環境でなかった場合でも、人生のどこで恵まれるか、どこで頑張るかは人それぞれだから、取り返しがつかないことではないはずです。でも、お産は自然の摂理によって命がけのリスク(天災)があるのは受け入れるとしても、人災は最小限になるといいです。

2012年5月1日火曜日

ドゥーラ協会

3月5日に一般社団法人ドゥーラ協会が立ち上がって、先日は事業説明会に出席しました。
出産後、産院を退院してから特に1か月健診までの時期がものすごく大変だということ、今回の調査からもたくさん伝わってきました。
そんな産後1か月過ぎのママたちに研究参加をしていただけたご恩は忘れません。
ご縁があってドゥーラ協会をお手伝いすることになりました。本研究の産後編の調査結果を役立てることができそうです。

ドゥーラ協会のウェブサイト
http://www.doulajapan.com/

妊娠~産後早期編+産後後期~就労編

妊娠・出産・産後早期編と産後後期・育児・就労編の両方に共通する質問項目がいくつかあります。その項目について、分析を追加しました。サンプルサイズも、妊娠・出産・産後早期編と産後後期・育児・就労編の両方に参加してくださった方のダブった分を除いて計331名になります。
https://sites.google.com/site/mamanokoe/preliminaryreports/demographicc

研究者・専門家は、自分の分野に熱心なあまりか(?)、研究結果(エビデンス)を提示する際に自分の主観的な好みや主張に合ったものを選びがちだったり、説得するためにエビデンスの提示の仕方を自分の主張にとって都合が良いように操作する傾向がある、と読んだことがあります。的を得ているし、重大な問題です。
なので、私の主観的なバイアスによってせっかくのデータをゆがめないようにと、これまでこのサイトでは、データをまとめたものをできるだけたんたんと載せてきました。でもそうすると、こんなふうに膨大な量のグラフだけあっても、何が言いたいか読み取りにくそう、ということも気になっていました。今後は、各図表が何を言っているかの説明を少しずつ追加していく予定です。できるだけ中立、かつ意味のある情報を、って難しい課題ですが☆
もちろん、「こんな分析もしてほしい」というリクエストもいただければお応えしていきます。