2012年9月24日月曜日

ドキュメンタリー映画「出産の自由を求めて」上映会

DOULA!の映画の翻訳をさせていただいたご縁で、先日は「Freedom for Birth」という映画(60分)の日本語訳をしました。日本語を含めて21ヶ国語に訳され、9/20(木)に世界中50カ国以上で、1000以上の先行上映会が計画されました。

制作者のToni Harmanたちは、他組織との何のしがらみもなく、言いたいことを言える映画を作っています。今回の映画は製作費のために20,000ドルの寄付を募った結果、世界各地から約40,000ドルが集まったそうです。

せっかく日本語版を制作させてもらえたので、日本でも1つくらい上映会をできたらいいなと思い、横浜駅近くのUmiのいえにお願いして上映会をさせていただきました。直前の告知にもかかわらず、遠方からお越しくださった方々、職場の同僚、妊婦さんなど、少人数ながらとても素敵なメンバーで感激でした。 

日本では、女性が産みたい場所(大学病院でも、開業医でも、自宅でも)を選んでも問題ないけれど、そうでない国もあるんだ・・・と、「日本って恵まれてるのかも」と有難く思ったり、「日本もこのままいくとこうなっていくのかな」と心配になったり。また、法律の整備ってどんな意味があるんだろう、とか、日本に合った方法は・・・、などいろんな感想が出そうな映画です。






決して、訴訟を推奨するわけではなく、何かと戦いたいわけでもなく、一定のお産の仕方や職種を持ち上げたいわけでもありません。日本は、ハイテクで経済大国でありながら、なぜ出産が海外ほどの医療化やビジネス化にならずに、世界最高レベルの周産期結果を実現することができてきたのでしょう。さらに、これからも大丈夫なのかな、もっと良くしたい場合はどこに改善の余地があるか、など、海外と比べて考えるための1つの情報になればと思って、日本語版を制作しました。


たとえば・・・インフォームドコンセント(チョイス)(情報提供に基づいた同意・選択)について、「ママの声」調査では、帝王切開を受けた女性に、インフォームドコンセントの体験について尋ねました。全体的に、説明はわかりやすく(94%)、説明の量も十分だった(88%)のに、説明を聞いて安心できた女性は4割、自信をもってサインした女性は約5割でした。<リンク
不安な中の帝王切開なので100%安心することはできなくても、何か改善の余地があるのかもしれません。前回のトピック、defensive medicineに関連する問題ではないかと思います。

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以下は映画の情報




ヨーロッパを中心に海外の出産事情について
の映画です。ハンガリーの裁判、ミシェル・オダン氏、シーラ・キッチンガー氏、アイナ・メイ・ガスキン氏のメッセージなど。


海外の上映会の開催報告(フェイスブック)
http://www.facebook.com/oneworldbirth

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(映画より)


出産の際に、自分の権利、特に人権について
意識しない女性が多いと思います
しかし出産における人権侵害は
あまりに常態化しています

嫌と言えない状況にしたり 怖がらせたり
ゆがんだ情報を与えることで
その瞬間だけ正しいと思わせる判断を促すのは
間違っています

患者が大人として扱われず
「言うとおりにしなければ他に道はない」という
医療者からの一方的な会話が多く見られます
「自分が受けるケアについて話し合うのは
申し訳ない」と患者に感じさせることもあります
話し合いの中で怖がらせて
一定の選択を迫るように
導くことがよくあります
話し合う前から答えが決まっているのです

あなたが陣痛の最中に
産科医や助産師がそばに来て
「少し疲れているし陣痛も長引くし
帝王切開にしたいですか?」と尋ねたら
 「お願いします」と言うのはとても簡単です

いくら選択肢があっても
弱い立場で
赤ちゃんやお産のことが不安だったら
医師の言うことを何でも信頼して
言う通りにするでしょう
医療者は「もう少し待ってもいいけれど
同じことですよ
感染が起これば赤ちゃんにも危険ですよ
陣痛が長引けば大出血の危険もありますよ
夜中に疲れ果ててしまう前に
今すぐお産にするのが一番ですよ」
と言うかもしれません
選択肢があったとしても
一定の答えに導かれるのでは
 「情報提供に基づいた選択」とは言えないと思います



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女性は尊重され尊厳をもつべきです
出産の時に 愛され大事にされていると
感じなければいけません
母親の仕事ほど大切なものはありません
誇りを持つべきです

助産師も医師も
母親に代わって立ち上がることはできません
専門職にはできないのです
女性たち自身が出産のために
立ち上がる必要があります

良い助産師も医師も看護師もいます
でもシステムが壊れています
機能不全のシステムを止める唯一の方法は
すべての人々が声を上げることです

自宅でも病院でもどこでもいいのです
いつ どこで 誰と どのように産むか
すべての女性の選択を
今 応援しなければいけません

自分の娘たちや息子たちに
私が経験したような
喜ばしく 恍惚として 自由で 解き放たれるようで
楽しくて 大変で
めちゃくちゃで 困難なお産を
支えられ愛される中で体験してほしいのです
最後には生きる力が湧いてくるようなお産を